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「老老介護」とは高齢者が高齢者を介護すること。
朝日新聞の「みんなの健康」という欄に連載されている医療問答コーナーに、
こんな質問が載った。「70歳の女性。15年前、変形股関節症で両側とも人工股関節手術を受けました
。最近また痛むようになり、心配です。92歳の母の介護をしているので、できれば再手術はしたく
ありません。どういう注意をしたらよいか教えてください」というものだ。
これに専門医が答えているのだが、私はこの質問が質問として成り立つ現実に、
薄寒いものを感じてしまう。70歳の、身体が不自由な女性が92歳の女性を介護!!!…恐ろしい時代
になったものだ。70歳と言えば「古希」。古来稀なりと言われた、めでたいお年頃である。子や孫に
囲まれ、あるいは悠々自適の生活を送って当然と誰もが思うその年齢で、手術まで受けた身体を
いたわる暇もなく、他人の介護をしなければならないという。老老介護はお国の恥である。
育児もまた介護の一つではあると思う。一人では生きられない人間に手を貸し、身の回りの世話を
するという意味で。ただ、育児は成長に伴う大まかな定型フォームがあって、曲がりなりにも
それをこなしていけば必ず卒業できる。なにより育児する側が若い。育児される側が若いことは
もちろんだが、育児する側が若いということは体力・気力が充分あるということだ。これは素晴らしい。
育児・介護のような、24時間365日他人のために待機することが果てしなく続くルーチンワーク
は、体力・気力だけが頼りの労働だ。それに子供の成長という喜びが加われば、育児の苦労は半減
する。
しかし介護の場合、介護される側もする側も老いている。しかもどれだけやれば卒業するのか
全く分からない。介護すればするほど相手が回復するわけではないし、むしろ病状は
重くなるのが普通である。
冒頭の質問に対する回答者の返事
生活で注意することは「定期的な受診は必ず続け、痛みの原因になるようなことは避ける。
長時間の歩行は控え、重いものは分けて持つなど工夫を。…肥満もいけません。バランス良い
食事を心がけてください」とのこと。
介護労働の負担軽減のために重要なカギを握っているのが福祉用具の有効活用である。高齢化や
介護保険制度を追い風に、福祉用具の市場規模は増大傾向であるが、実際に要介護者の利用実態は
どのようになっているのだろうか。
<福祉用具の利用状況>
上述の「介護サービス世帯調査」によれば、比較的よく利用されている用具は、「車いす
「歩行補助つえ」「特殊寝台」等である。ただし、要介護4ないし5の人でも、「車いす」、
「特殊寝台」を利用している人が約5割にとどまっていたり、何も「利用していない」人も
約2割である。このことは、在宅介護生活の中で、いまだ福祉用具があま
り積極的に活用されていないという実態を反映しているのではないかと思われる。
<福祉用具の活用に向けての課題>
このように、福祉用具の利用がなかなか進まないという背景には何があるのか。
一つには、商品情報が利用者まで伝わりにくいということがある。実際、利用者の身体的状況に
より、介護ショップまで足を運ぶことができない場合もあるし、またショップまで行けたとしても、店
頭に展示してある商品は限られている。
このようなことから、福祉用具事業者からの積極的な情報発信はもちろんのこと、要介護者及び
介護者のニーズを把握し、かつ住環境を考慮した上で、用具の有効性と利用方法についてアドバイ
スの提供も重要である。そのためには、要介護者のケアプランを作成するケアマネージャーの役割
も大きいが、最近では、福祉用具選択の相談や利用指導に当たる専門家として「福祉用具プランナ
ー」((財)テクノエイド協会が1997年から導入)の育成が図られ、福祉用具事業者と介護者及び
要介護者との橋渡し役として期待されている。
福祉用具の活用は、介護労働の省力化だけでなく、高齢者の自立した生活を助ける働きがある。
したがって要介護者を含め、介護にかかわるすべての人の生活の質を高めるためにも、福祉用具に
関するきめの細かい情報提供と、利用に向けた支援体制の構築が必要であろう。